美容師の転職レポート

岩瀬さんのケース

新卒で大手美容院に入社後、一度は業界を諦めかけたという岩瀬さん。小さなお店に入り直し、今ではスタイリストデビューに向けて腕を磨く毎日です。美容業界への就職、転職について、新卒者に近い視点で語って頂きました。
簡単なプロフィール
前職現職
広島市内の大手美容院 Hallo Inn 観音店
アシスタントアシスタント
一般的なアシスタント業務。21時の閉店後に練習スタート。帰宅は毎日深夜という生活。アシスタントとしてしっかり下積みをこなし、スタイリストデビューへ!

この業界を目指した経緯を教えてください

元々目指していた業界でした。美容専門学校で勉強し、卒業してそのまま広島市内の大きなお店に入りました。そこに入った経緯としては、一般誌の広告でお店を探して、実際に髪を切りに行って、良さそうだと思ったからそのお店を選びました。結果的には辞めちゃいましたけど。

前にお店ではどんな事を?また辞めた理由とは??

前職では本当に現場経験ゼロからのスタートだったので、シャンプーからドライまででした。

お店を辞めた理由は、思っていたのと違い過ぎた、という感じでしょうか。とにかく拘束時間が長すぎて・・。お店が21時まででも実際には22時近くまで営業していることが多く、それが終わってから片付けや練習が始まるので、帰宅は毎日深夜という日々でした。人間関係のあり方についても『あれ?』っていうのがあって、短い期間で辞めてしまったんです。そこから2ヶ月くらい何もせずに塞ぎ込んでいて、『もう絶対やらない』って思ってましたね(笑)。

それでも再び美容業界に就職したのは?

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2ヶ月くらい何もせずにいる間に気持ちが落ち着いて、自然と『もう一度やろう』っていう気持ちになれたからです。そんな時に今のお店の求人記事を読んで『人』の良さを感じたんですね。お店に電話し、実際に店長に会ってみて、記事で感じた以上に良かった。人として芯がしっかりしていて熱い人だな・・と感じ、今に至っています。

入店後の仕事及び将来の抱負を教えてください

入店後はアシスタント業務で現場経験を積みながら、講習にも積極的に参加してスタイリストの勉強を重ねてきました。今も勉強と経験を重ねる毎日ですね。そして拘束時間は前職に比べてぐっと減りました(笑)。

将来の抱負については、まずはスタイリストデビューをして、お客様に喜んで頂ける存在になりたいと思っています。

学生や新卒者など、若い人材へのメッセージは?

学生の頃はどうしても華やかなお店、大きなお店に目が行きがちですが、美容院は大手が全てではないです。どんなに可愛いお店でも、人間関係だったり、上の人がしっかりしていないと働く意義がないんだな、と感じました。

実際にお店で働くと厳しい現実もあったりして、中には私のように美容業界自体をやめようって思っている人も少なくないと思います。でも、そもそも何で美容師になりたいって思ったのかを思い出してみて欲しいです。また、何のために親にお金を出してもらって、中には一人暮らしの費用まで出してもらって、専門学校を出させてもらったのか、っていうのを落ち着いて見つめ直してみるといいかもしれません。

どうしても辛くてお店を辞めた後、少しブランクを置くと気持ちが前向きになってくると思うので、そうなったらまた新たにチャレンジしてみて欲しいです。

取材班によるコメント

美容業界の人材不足が深刻だと言われています。美容専門学校を出て、せっかくお店に就職しても、大半の人材が3年もたないとされており、10年後に業界内に残るのは1割前後・・という数値もあるといいます。そんな中、業態改善に向けて動いているお店が少しずつ増えているように感じます。特に小回りの聞く小型店でその動きが顕著ですね。

今回岩瀬さんが転職したのもそんなお店の中の一つで、転職する事で生活リズムは大きく変わったそうです。従来からの日本の価値観として、仕事をすぐにやめるのはだらしないから、とか忍耐が足りないから、と言われがちですが、その価値観のベースにあるのは賃金が右肩上がりだった90年代までの国内状況だったりします。当時に比べると競争率の激しさ、一般消費者の要求水準の上昇など、時代背景が激変しており、同じ価値観で比べるべきでない部分が多々あります。

よって、どうしてもお店が合わないと感じた場合、業界そのものを諦める前に、一度お店を変わってみる、という選択は大いに推奨されるべきかもしれません。店が変わればオーナーも変わり、オーナーが変われば価値観はガラっと変わります。今回、岩瀬さんは諦めかけた業界にもう一度チャレンジした事で、新たな一歩を踏み出す事に成功。とても前向きで参考になる成功例だと感じます。