広島における美容系求人動向 2018年春の所見

限られた土地柄ではありますが、美容業界における求人の動向を独断で記載します。

アベノミクスによる(企業間における)好景気の影響もあり、依然として有効求人倍率は高止まりしています。広島においては有効求人倍率は東京に次ぐ全国二位となっており、数値的には経済は活況を呈しているように見えます。が、これは東京と異なり人材の流動性が低いゆえの有効求人倍率の高さという印象が否めず、よって状況は決して良いとは言えないように感じます。

依然として新規開業が多い?

そんな中、広島の美容院・ヘアサロンの新規開業は依然として続いており(※)、なり手の母数が減少している状況と完全に相反する方向に向かっているように見えます。

※支援機関関係者談なので具体的な数値を表に出すことができません

その結果どうなるか?

どこも人手不足で採用しようにも全く応募がない、という状況が生まれます。開業の前提としての事業計画は、顧客が増え続け、スタッフも増えていく前提で組まれている事が多いです。(同関係者談)

家賃などの固定費はスタッフの人数にかかわらず一律に発生するため、負担軽減のためにも人を増やして顧客を増やさなければなりません。集客に関してはホットペッパーという一見便利な必殺ツールがあるため、短期的には何とかなるようですが、無理をして集客した成果を最大限活用(つまり再来店数を高める)するには人では必要なもの。が、その人手がいない。そして見ればホットペッパーが求人も始めている・・。

この流れで二重にホットペッパーに広告を出しているお店は多いようです(ホットペッパー参照)。

実は閉店も多い

新規開業が多ければ、どこかで飽和するものですが、広島においてはすでに飽和しており、頻繁にお店がなくなっています。内装も外装も変わらずひっそりとお店が変わっている事例も多く、傍目には大きな変化が見られないものの、実際には閉店や開店による悲喜交々が溢れているのだと感じます。

お店がなくなった場合、現在の人材不足の状況下では若手スタッフは再就職に困ることは少ないでしょう。一方のベテランスタッフは、近年は業務委託のお店が増えている事で、うまく受け皿となっているケースも見られます。

大元の会社の方針にもよりますが、業務委託の形式のお店は手取りの給与が大きく伸びている場合が多く、休日も比較的自由に取れる体系が増えてきています。90年代末のカリスマ美容師ブームから美容業界の隆盛を経て、今に至ってさらにダイナミズムの大きな時代に突入する中、広島だけでなく全国的に業務委託というスタイルが普及していくのだろうと思います。

慢性的な人手不足を解消するには?

慢性的に人がいない状況を改善する方法は、案外シンプルかもしれません。それは、小さなお店はホットペッパーをやめること。お店規模と釣り合わない高額な広告費をホットペッパーに払うのは、一般業種であれば収支バランスの崩壊と言っても過言ではありません。それらの費用を全て人材確保と待遇改善に充当する事で優良人材を確保し、長期的には優良店へと発展していきます。理論的には。

ホットペッパーがなくなった結果、数値上の来店数は減るはずですが、それによってお店の本当の姿、強み弱みが明確になり、SWOT分析の好機となります。来客が減って時間も増えたのであればなおさらかもしれません。事実そういう方向にシフトしているお店は少しずつですが増えてきており、パレートの法則について熱く語っているオーナーを見かけたこともあります。