美容業界を去っていく人が増えている?その背景とはなんなのか?

美容業界の求人難の原因の一つとして、美容師へのなり手の母数の減少が挙げられます。これは少子化の影響もあるので業界を問わず共通の問題と言えますが、美容業界ならではの原因がもう一つあります。それは業界そのものを去る人が多いという事。つい先日もそういう例を目の当たりにしたので、それに関する初見などを書きたいと思います。

なぜ業界を諦めるのか?

新卒で燃え尽きて業界を去る

よく耳にするケースはこれです。最初に入ったお店が厳しすぎたり、肌に合わなかったりすると、そのダメージの程度によっては業界そのものに絶望を感じて去っていく野だといいます。これは本人の資質の問題もありますが、一部には若手を使い捨てにしているお店もあるわけで、結果としてはあまり良いものではありません。

参考記事:美容業界とナイトワーク

家族ができたタイミングで諦める

中堅以上のスタッフがお店をやめ、業界そのものを諦めて去ってしまうというケースがしばしばあります。直近でも直に3件見ました。理由は結婚や子供ができたことなど、家庭の事情がきっかけのようです。つまり人生設計を見直したという事。今のままでは家族を養っていけないという判断があったのだろうと推察されます。

これは美容業界だけでなく他の業種でもしばしば見られる現象で、きつくてもやめずに頑張ってきた人材が、ある程度の地位とスキルを獲得した上で「継続不可」の判断を下すというもの。以前直接見聞きした事例として、渋谷駅南口の高層ビルにテナントを構えるそこそこ有名な人材系企業の例があります。都心の一等地で夜遅くまで働き、クライアントは有名企業ばかり。が、労働力は派遣社員が大半で、数少ない正社員も派遣社員とあまり変わらない給与だったと聞きます(社員から直に聞いた話)。よって社歴が長くなっても従業員平均年齢は20代後半のまま。男性はだいたい30歳前後で結婚を機に転職していくのだそうです。普通は仕事が安定した結果結婚という選択肢が見えてくるものですが、ここでは逆で。結婚があるから撤退を決意するという流れ。

他にも平均年齢が低いままの会社と言えば、家電量販店だったり引越し系、また有名な格安旅行会社などもそれに該当し、元社員の話を聞く限りでは、やはり実情は似たようなものでした。

結婚・妊娠を機に去る

女性で多いのはやはりこれで、特に美容業界に限ったことではありません。近年では女性の社会進出が進み、産後の復帰がしやすい会社も少しずつ増えている傾向がありますが、美容室も同様に少しずつ女性復帰の環境を整えつつあるように感じます。環境がもう少し成熟していくと、業界を去っていった女性たちが復帰という選択肢を検討することが当たり前になってくるのかもしれません。

No.2がやめたという話

上記のような背景を具現化するかのように、先日立て続けにNo.2がやめたというお店の話を聞きました。「理由は今後も家族を養っていくため」だったそうです。

転職先が決まったということで退職を決断。ただし、転職先は全く関係のない業種。つまり業界そのものから去っていったというわけです。現在はあらゆる業種で求人難。広島においては東京に次いで全国二番目の有効求人倍率の高さを誇っているため、まさに(未経験の職種であっても)転職しやすい状況だといえます。逆に言うと、チャンスは今しかないとも評することができます。

目を背けてはいけない現実といえそうです。

なぜ戻ってこないのか?

外の世界を知ると戻ってこない?

さて、一度業界を去った人はそのあと復帰することはあるのでしょうか? 残念ながら、戻ってくるケースは希だそうです。戻ってこない理由は様々ですが、給与体系や待遇など、一般社会を知ると戻る気になれないという声はあるようです。直に聞いたわけではありませんが、労働時間と賃金の問題が大きいのかもしれません

戻ってくる事例も増えてきた

とはいえ、ごく少数ではありますが、外の世界を知った上であえて戻ってくるケースもあります。

参考記事:一度やめたけど戻ってきた話

また、前述のように、結婚や出産後の復帰という事例も増えてきており、またそういう環境を整えているお店が繁盛し始めているので、これは市場による淘汰によって自然と形勢が変わっていくのでしょう。

今後どう変えていくべきか?

若手の美容師さんが語っていた事によれば、前の時代のオーナーたちの頑固さは岩盤で、もうどうにも変えようがないのだそうです。これは美容業界に限らず、団塊世代周辺の顕著な傾向で絶対に自分の考えを変えない。時代が変わっても自分を変えないので、そのしわ寄せが次の世代に回ってくるという世代間闘争の様相があります。

これは現代にかかわらず、歴史上あらゆる時代、あらゆる国で起きていた事らしく、結局の解決策は「その世代」が退場するのを待つ事しかなかったそうです。であれば、前世代の現役オーナーたちには早めの権限委譲をお願いするしかなく、それが叶わないのであれば志のある若手オーナーが独立して次の時代を作りながら古い人たちへの退場圧力を強めていくのが正当な流れと言えるのかもしれません。